偏食の子のお弁当の記録 ―「混ぜちゃダメ」の中で工夫した日々

お弁当 偏食ごはん

偏食の子のお弁当づくりは、毎日が試行錯誤です。「ごはんに何かを混ぜたらダメ」「これしか食べない」――そんな制約の中で、どうにか食べきれるお弁当を考えてきました。

この記事では、保育園のころから高校生まで、我が家のリアルなお弁当の記録をつづります。同じように「うちの子のお弁当、これでいいのかな」と悩むご家族に、そっと寄り添えたらうれしいです。

保育園・幼稚園・児童館のころ

小さい頃、お弁当によく入れていたのが、皮をうさぎさんの形に切ったりんごです。これは喜んで食べてくれる、数少ない”鉄板”でした。お弁当のふたを開けたときに、うさぎさんがいると、ちょっと嬉しそうにしていたのを覚えています。

幼稚園のあと、子どもを預かってもらうときにも、お弁当を持たせていました。定番は、俵型の「のりたまおにぎり」。実はこのおにぎり、ただののりたまではありません。中央に、にんじんやほうれん草のおひたしを忍ばせていました。それも、2mmくらいの欠片を1個だけ。まわりをのりたまご飯で囲んで、焼きのりで巻きます。

たった2mmです。栄養として、どれほどの意味があったのかは分かりません。それでも「ゼロではない」ということが、当時の私にとっては大事でした。

このおにぎりに、卵焼き、うさぎさんりんご、そしてグリコの「幼児野菜&フルーツ」を添えるのが、我が家の預かり弁当の”フルセット”でした。

ちなみに卵焼きにも、すりおろしたにんじんを混ぜていました。今回の再現でも、久しぶりに同じことをしています。色が少しオレンジがかっているのは、そのためです。

年長さんから小学3年生くらいまでは、保育園や児童館に通っていました。お昼に、ちらし寿司を持たせることがあったのですが――これがまた、なかなかのこだわりようでした。

ごはんは酢飯だけ。上にのせる具は、桜でんぶ・ツナのそぼろ・炒り卵の3つだけ。ごはんに何かを混ぜることや、ほかの具を足すことは、頑として受け入れてくれませんでした。世間でいう「五目ちらし」は、我が家には存在しなかったんです。

市販の混ぜごはんの素――永谷園の「すし太郎」のようなもの――が使えたら、味のバリエーションも栄養面も、ずいぶん楽だったと思います。でも、「ごはんに何かを混ぜる」こと自体がダメだったので、我が家では、そういう便利な商品の出番がありませんでした。「市販品が使えない偏食」もあるんだなあと、しみじみ思ったものです。

学校帰りに児童館へ行くときは、おやつを持たせることも多かったです。ここでも私なりに考えていたのは、「少しでも栄養を、でも飽きさせない」ということでした。

野菜を少しでも、という気持ちで選んでいたのが、カルビーの「ベジたべる」と「じゃがりこ」。じゃがりこは、サラダ味がいちばん食べやすかったようです(チーズ味も、食べられなくはない、という感じでした)。

カルシウムがとれたらいいな、と思って持たせていたのが、森永の「おっとっと」。魚の形をしたスナックで、子どもも喜んで食べてくれました。

とはいえ、毎回そればかりでは飽きてしまいます。だから「チップスター」も定番に入れていました。栄養のことは考えていないけれど、本人が好きなもの。変化をつけるための一枠です。

ほかにも、「ぱりんこ」「雪の宿」「ハッピーターン」といったお米のお菓子もよく持たせていました。

こうして並べてみると、おやつ一つ選ぶのにも、あれこれ考えていたんだなと思います。全部を栄養で固めるのではなく、好きなものも混ぜておく。スナック菓子でも、「これなら食べる」があると、持たせる側としては安心でした。

年少の頃には、担任の先生から「お子さんは、何が食べられるんですか?」と聞かれたことがありました。今思えば、給食もずいぶん残していたのだと思います。その一言に、少し胸がちくっとしたのを覚えています。

でも、先生もきっと、どうにか食べられるものを見つけてあげたくて、聞いてくれたんですよね。「食べられるものを、一緒に探す」――それは、家でも園でも同じだったのかもしれません。そう思えるようになったのは、ずいぶん後になってからでしたが。

高校生のお弁当

高校生になっても、お弁当の偏食ぶりは健在でした。この頃のお弁当は、家族が協力して作ってくれていました。我が家では、2つのパターンのお弁当を、交互に持たせていました。

交互に持たせていたのは、主食が「おにぎり」の日と「のりたまごはん」の日です。

のりたまごはんの日は、卵焼き・から揚げ・こんにゃくゼリー(ぶどう味)。おにぎりの日は、おにぎりが場所を取るぶん、から揚げは入れずに、卵焼きとこんにゃくゼリーだけにしていました。お弁当箱の広さと相談しながらの、シンプルな組み合わせです。

俵型のおにぎりは、手で持って食べやすいように、一つずつアルミホイルで包んでいました。教室でさっと食べられることも、お弁当を選ぶうえでは大事なポイントでした。

※この記事のお弁当の写真は、当時を思い出しながら再現したものです。お弁当箱は当時のものではありませんし、中身が分かるように、おにぎりは包まずに詰めています。

彩りや品数より、「本人が食べきれること」を最優先にした、我が家なりのお弁当の形でした。ちなみに、から揚げは”このメーカーじゃないと食べない”という強いこだわりがありました(その話は、こちらの記事にまとめています)。

偏食弁当で、私が大事にしてきたこと

偏食の子のお弁当で、私がだんだん大事にするようになったのは、「見た目の彩り」よりも「食べきれること」でした。

栄養も彩りも100点のお弁当を目指すと、しんどくなってしまいます。それよりも、「今日も完食できた」という小さな安心を積み重ねるほうが、子どもにとっても私にとっても、ずっと幸せでした。

同じようにお弁当で悩むご家族へ。どうか、よそのお弁当と比べないでくださいね。お子さんが食べきれるお弁当が、いちばんのお弁当です。

(我が家の偏食のはじまりや、食べられるものの一覧は、こちらの記事にまとめています)

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