股関節も腰も不安だけど痩せたい|臼蓋形成不全と付き合いながら11kg減らした記録

股関節も腰も痛い。でも、体重は落としたい――。

そんな思いで減量に取り組んだ、ひとりの体験記です。私は30代後半から股関節の痛みと付き合ってきた、医療系の仕事をしている母親です。9ヶ月で体重66.7kg→55.2kg、マイナス11.5kg。同じように「関節が心配だけど痩せたい」と悩む方の参考になればと思い、記録を残すことにしました。

※この記事は私個人の体験です。診断・治療・運動のやり方については、必ず主治医にご相談ください。

臼蓋形成不全と診断されるまで

最初に異変を感じたのは、30代後半の頃でした。ベッドから片足で降りるときに、2週間に一度くらいのペースで股関節に痛みを感じるようになったのです。何度か続いたので、近所の整形外科を受診しました。

レントゲンを撮ったところ、「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」と診断されました。問題のない人のレントゲン写真と並べて見せてもらうと、明らかに股関節の形が違っていました。股関節は、骨盤側の「屋根」が太ももの骨の先端(球状の部分)を覆うようにできています。私はこの屋根が小さく、うまく覆いきれていないために痛みが出ているとのことでした。

先生は、家にたとえて説明してくれました。「庇(ひさし)が短い家は、雨が降るとすぐ濡れてしまうでしょう? それと同じで、関節を守る屋根が小さいぶん、運動すると疲れやすいんですよ」。(10年近く前の話なので、言い回しは少し違うかもしれません)

このときは「前股関節症(ぜんこかんせつしょう)」――変形性股関節症に進む前の段階――とも言われました。股関節の屋根が骨をどのくらい覆っているかを表す「CE角(シーイーかく)」という数値は、受診のたびに19度、24度と差がありました。数字が変わったことについて、先生は「レントゲンを撮る角度によって数値が変わることがあるんですよ」と教えてくれました。また、このとき先生からは、腰にも負担がかかっていることを指摘され、腰のコルセットも処方されました(ただ、その後太ってしまい、次の病院に行く頃にはすっかり使わなくなっていました……)。さらに「次は膝に来るよ」と、あまりうれしくない予言までされてしまいました。その日は理学療法士(リハビリの専門職)さんと運動リハビリをして、湿布と痛み止めをもらって帰りました。ボールを膝ではさんだり、自転車のチューブを膝で外側に押し広げたりする運動でした。

その後、引っ越しをしました。新居で本棚やハンガーラックを組み立てたところ、股関節がだるくなり、痛みも出てきたので、近所の整形外科を受診しました。ここでは「前股関節症とまでは言えない」と言われ、ついた診断名は臼蓋形成不全でした。実はこの頃、股関節をかばうせいか腰にも痛みがありました。通院のたびに、電気やマッサージ、塗り薬などで対応してもらっていました。

この受診のとき、先生から「体重を減らすと、股関節にかかる負担を軽くできますよ」という話もされました。ただ、当時の私はそれほど重く受け止めていませんでした。

「このままではいけない」と思った日

痛みがいちばん出やすかった時期には、こんなこともありました。仕事中、椅子から立ち上がろうとしたら、股関節が抜けそうな感じがして、うまく立ち上がれなかったのです(実際に脱臼したことはありません)。結局、5分近く座ったまま回復を待って、ようやく立ち上がれました。別の日には、歩いている途中で痛みが出て足を引きずっていたら、周りの人に心配されてしまったこともあります。

そんな中、「運動して痩せよう」と意気込んで、近所の公営ジムで1時間半ほどマシントレーニングをしたところ、そのあと5日間くらい股関節が痛くなってしまいました。あらためて整形外科を受診すると、医師から再び減量をすすめられ、「悪くなる前に手術をするなら、専門医を紹介します」と言われました。

でも、私はとにかく手術はしたくありませんでした。そこで、運動のやり方や自分に合った運動の量を教えてもらうために、3か月間リハビリに通うことにしました。そこで学んだのは、自分が運動をやりすぎていたこと、そして違和感が出たらすぐにやめることの大切さでした。

本気のスイッチが入ったのは、2025年の秋です。当時の体重は66.7kg、体脂肪率は36.4%。人生でいちばん重くなっていました。

きっかけは、意外にもAIチャットでした。股関節の悩みを相談していたら、「このままだと、こうなりますよ」と、ずいぶん具体的に言われてしまったのです。お医者さんにはずっと前から「体重を減らすと関節が長持ちしますよ」と言われていたのに、動けなかった私。AIのズバッとした物言いで、ようやくお尻に火がつきました。人間のお医者さんのほうがマイルドなんだなあ、と笑ってしまった出来事です。

「関節を痛めない方法で、ちゃんと体重を落とす」――そう決めて、その日から記録を始めました。

私が選んだ「関節にも腰にもやさしい」方法

走る・跳ぶといった激しい運動は、股関節にも腰にも負担が大きいので、最初から選択肢に入れませんでした。代わりに選んだのは、この3つです。

① 食事管理 ―「あすけん」で食べる量を見える化

減量の主役は、運動ではなく食事管理でした。使ったのは、食事を記録するとカロリーと栄養バランスを見える化してくれるアプリ「あすけん」です。

実は以前にも使ったことがあり、一度やめてしばらく放置していました。でも再開してみると、昔の記録がそのまま残っていて、66.7kgという当時の数字も、この記事を書くときにアプリを見返して確認したものです。「一度挫折しても、また戻ってこられる」のは、記録アプリの良いところだと思います。

② エアロバイク ― 座って漕げるから負担が少ない

リハビリに通っていた時期は、リハ室のエアロバイクを週1回漕いでいました。座ったまま運動できるので、体重が股関節に乗らず、腰もラクです。

ただ、最近は漕ぎ始めて数分で股関節に違和感を感じるようになったため、今は水中歩行に切り替えています。体の状態は変わっていくものなので、「これじゃなきゃダメ」と決めず、その時の体と相談してメニューを入れ替えるようにしています。

③ 水中歩行・バドミントン ― 楽しく続けられる運動

減量に取り組んでいた時期は、プールでの水中歩行を週1回続けていました。水の中では浮力で体が軽くなるので、股関節にも腰にもやさしく、それでいてしっかり運動になります。

バドミントンは、無理のない範囲(基礎打ちやダブルス)で楽しんでいます。「楽しいから続く」というのは、運動を習慣にするうえで、いちばん大事なことかもしれません。今はどちらも月2〜3回のペースです。

実際の変化 ― 体重・体脂肪率・そして診察室で言われたこと

2025年10月:66.7kg(体脂肪率36.4%)
2026年7月現在:55.2kg(体脂肪率29%)

9ヶ月で、体重はマイナス11.5kg、体脂肪率はマイナス7%になりました。

そして先日(2026年6月)、専門医のいる病院で股関節の検査を受けたところ、「3年前と大きく変わっていない」と言われました。臼蓋形成不全は進行が心配な状態なので、「変わっていない」という言葉は、私にとって何よりのごほうびでした。

正直に言うと、「関節が劇的にラクになった!」という実感は、あまりありません。ただ、日常の中で股関節が気にならない日が増えました。気にならないでいられること――それ自体が、いちばんの変化なのだと思います。

続けるために決めているルール(と、破って反省した話)

減量と運動を続ける中で、私が決めているルールはシンプルです。

  • 痛みや違和感が出たら、その日はやめる
  • 痛い日は休む。休むのも練習のうち
  • 無理なメニューより、楽しく続けられるメニューを選ぶ

このルールには理由があります。今年の初め、子どもの受験期でバドミントンを数ヶ月休んだら、筋肉が落ちたせいか、運動を再開したときに痛みが出やすくなっていたのです。それ以来、「痛みが出たら休む」を徹底するようになりました。

……と言いつつ、つい先日も失敗しました。腰に軽い痛みがあったのに、股関節が痛くなかったのをいいことに、2時間思いっきりバドミントンをしてしまい、腰の痛みを悪化させたのです。塗り薬と飲み薬のお世話になって、3日ほどで落ち着きましたが、深く反省しました。ルールは、破るとちゃんとしっぺ返しが来ます。この記録も、そんな「完璧じゃない私」のままで続けていきます。

股関節や腰に不安があって痩せたいあなたへ

「関節が痛いから運動できない。運動できないから痩せられない」――私も長いあいだ、そう思っていました。

でも、私の場合は、激しい運動をしなくても、食事の見える化と関節にやさしい運動の組み合わせで、体重を減らすことができました。そして体重が減ってから、股関節も腰も、以前より気にならない日が増えています。

体の状態は一人ひとり違います。どんな運動がどのくらいできるかは、必ず主治医や専門家に相談してから始めてくださいね。この記録が、同じ悩みを持つどなたかの「私にもできるかも」につながればうれしいです。

まとめ

  • 股関節(臼蓋形成不全)と腰の痛みを抱えたまま、9ヶ月で66.7kg→55.2kg(マイナス11.5kg)
  • やったことは「あすけんでの食事記録」「エアロバイク」「水中歩行・バドミントン」の3つ
  • 専門医の検査では「3年前と大きく変わっていない」との結果
  • ルールは「痛みが出たら休む」。破ると痛い目にあいます(実証済み)

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